読者ターゲット:
- ギリギリ層(制限時間17時間が不安な人)
- 「メンタルが弱い」と感じている層
- レース中の不安やパニックを経験したことがある人
- 初挑戦〜2回目挑戦者
「制限時間に間に合わないかも…」
レース中、何度もこの不安が襲ってきます。特にバイク100km地点、ラン30km地点で。
でも、メンタルコントロールができれば、完走率は劇的に上がります。16時間9分で完走した私が、レース中に実践した「制限時間プレッシャーとの戦い方」をすべて公開します。
なぜメンタルが完走の鍵なのか
アイアンマンのDNF(完走失敗)理由の統計を見ると、驚くべき事実があります:
- 身体的な故障: 30%
- 機材トラブル: 10%
- メンタル崩壊による棄権: 60%
そう、完走できない理由の6割は「メンタル」なのです。
身体は動くのに、心が折れて棄権する。これがアイアンマンの現実です。
私が経験した「メンタル崩壊の瞬間」
バイク80km地点での絶望
- 残り100km以上あることに気づいた瞬間
- 「まだ半分も来てない…」という絶望感
- ペダルを漕ぐ手が止まりそうになった
ラン30km地点での計算
- GPS時計を見て、「このペースでは制限時間に間に合わない」と気づいた瞬間
- 「歩いたら楽になる」という悪魔の囁き
- 「もう無理だ」という諦めの感情
でも、私は完走しました。
なぜなら、事前に「メンタル崩壊のパターン」を知り、対処法を準備していたからです。
メンタル崩壊の5つのパターン
パターン①:スタート直後の「まだ16時間もある」という絶望
いつ起こるか:
- スイムスタート直後
- バイクスタート直後
症状:
- 「16時間も続くの…?」という気が遠くなる感覚
- ゴールが遠すぎて、現実感がない
- 「こんな長いレース、本当に完走できるのか?」という不安
対処法:
- 「次のエイドステーションまで」だけを考える
- ゴールを見ない。次の10kmだけを見る
- 「とりあえず次のエイドまで」を繰り返す
- 16時間を「小さな30分×32セット」に分解する
私の実践例:
スイム中は「次のブイまで」だけを考えました。バイクは「次のエイドまで20km」を繰り返し、ランは「次の給水所まで2.5km」に集中。
ゴールのことは一切考えませんでした。
パターン②:バイク中盤での「まだ半分…」絶望
いつ起こるか:
- バイク80〜100km地点
- ちょうど折り返しを過ぎた後
症状:
- 「まだ100km近く残ってる…」という絶望感
- 脚の疲労と、残り距離の長さに心が折れそうになる
- 「この後ランもあるんだよな…」という二段階の絶望
対処法:
- 「バイクパートだけ」に集中する(ランのことは考えない)
- 「今はバイク。ランはランで考える」と割り切る
- 「あと80kmじゃなくて、次のエイドまで20km」と細分化
- 「半分来た」ではなく「半分も進んだ!」とポジティブに言い換える
私の実践例:
バイク90km地点で「まだ90kmもある…」と絶望しかけました。
でも、すぐに切り替えました:
- 「次の20kmだけ走ろう」
- 「90km走れたんだから、あと20km×4.5セットでOK」
- 「ランのことは、T2に着いてから考える」
この切り替えで、心が軽くなりました。
パターン③:制限時間への焦り(計算による絶望)
いつ起こるか:
- バイク100km地点
- ラン20〜30km地点
症状:
- GPS時計で「このペースだと制限時間に間に合わない」と気づく
- 計算すればするほど、焦りが増す
- 「もう無理だ」という諦めの感情
対処法:
- 計算を止める(GPS時計を見ない)
- 時計を見れば見るほど、焦りが増す
- 制限時間ギリギリの人は、「計算しない」方が完走率が高い
- 「とにかく前に進む」だけに集中
私の実践例:
ラン30km地点で、GPS時計を見て「このペースだと16時間30分かかる」と計算してしまいました。制限時間17時間に対して、余裕30分しかない…
絶望しかけましたが、すぐに時計を見るのをやめました。
代わりにやったこと:
- 時計のペース表示を消す
- 「1km進めばOK、また1km進めばOK」と唱える
- エイドごとに「まだ間に合ってる!大丈夫!」とボランティアに言われることだけを信じる
結果、16時間9分で完走できました。
パターン④:周囲と比較してしまう(追い抜かれる絶望)
いつ起こるか:
- バイク後半
- ラン全般
症状:
- 次々と追い抜かれることで、「自分は遅い」と感じる
- 「みんな速いのに、自分だけ遅い」という劣等感
- 「もう諦めようかな…」という気持ち
対処法:
- 「自分のレース」だけに集中する
- 周囲と比較しない(そもそもスタート時間が違う可能性もある)
- 「追い抜かれても、自分のペースを守る」と決める
- 「完走する人は全員同じフィニッシャー」と言い聞かせる
私の実践例:
ラン中、次々と追い抜かれました。特に若い選手に追い抜かれると、「自分は遅い…」と感じました。
でも、こう考えました:
- 「彼らはバイクでゆっくり走ったから、ランで元気なんだ」
- 「私は私のペース。比較しても意味がない」
- 「ゴールさえすれば、全員同じアイアンマンフィニッシャー」
この考えで、心が楽になりました。
パターン⑤:ラン後半での「歩きたい」誘惑
いつ起こるか:
- ラン30km以降
- 特に35〜40km地点
症状:
- 「歩いたら楽になる…」という悪魔の囁き
- 「少しだけ歩いても、完走できるはず」という言い訳
- 一度歩くと、止まらなくなる恐怖
対処法:
- 「歩く = DNF」と決めておく
- 歩き始めたら、止まらなくなることを知っておく
- 「絶対に歩かない」と事前に決意しておく
- エイドでの歩行はOK、区間での歩行はNG、と明確に線引き
私の実践例:
ラン35km地点で、「もう歩きたい…」と何度も思いました。
でも、事前に決めていました:
- 「エイド以外では絶対に歩かない」
- 「もし歩いたら、そのままDNFする可能性が高い」
- 「ここまで13時間かけてきたのに、あと3時間で諦めるのか?」
この自問自答で、走り続けることができました。
実践的なメンタルトレーニング法
①事前に「崩壊パターン」をリストアップしておく
やり方:
- 上記の5パターンを紙に書いて、レース前に何度も読む
- 「この瞬間が来たら、こう対処する」とシミュレーションしておく
- トランジションバッグに「メンタルメモ」を入れておく
私が作ったメンタルメモ:
【バイク中盤で絶望したら】 → 次の20kmだけ考える。ランは考えない。 【制限時間が心配になったら】 → 時計を見ない。とにかく前に進む。 【歩きたくなったら】 → 「エイド以外では絶対歩かない」。ここまで来て諦めるな。
このメモをT2バッグに入れておき、ランスタート前に読み返しました。
②マントラ(呪文)を用意しておく
マントラとは:
- レース中に唱える短い言葉
- 辛い時に、この言葉を繰り返すことで、心を落ち着かせる
私のマントラ:
- 「前に進めばOK」
- ペースが落ちても、止まらなければOK
- とにかく前に進むことだけが正義
- 「あと1km」
- 「あと42km」ではなく「あと1km」だけを考える
- 1kmを42回繰り返せばゴール
- 「ここで止めたら、また16時間やり直し」
- 最強の言葉
- 「今諦めたら、また最初からやり直し?それは絶対嫌だ」
このマントラを、レース中に何百回も唱えました。
③「ポジティブ言い換え」を練習しておく
ネガティブな思考を、ポジティブに言い換える訓練:
| ネガティブ思考 | ポジティブ言い換え |
|---|---|
| 「まだ半分しか来てない…」 | 「もう半分も進んだ!」 |
| 「制限時間に間に合わない…」 | 「まだ時間はある。進めばOK」 |
| 「疲れた…もう無理…」 | 「疲れてるのはみんな同じ。ここからが勝負」 |
| 「追い抜かれてばかり…」 | 「自分のペースで走れてる証拠」 |
| 「歩きたい…」 | 「歩いたらDNF。ここまで来て諦めるのか?」 |
練習方法:
- 練習中に、ネガティブな思考が浮かんだら、すぐにポジティブに言い換える
- 声に出して言う(効果が高い)
- レース前に、この表を見返す
④「分割思考」で距離を小さくする
全体を見ると絶望するが、分割すれば乗り越えられる:
バイク180kmの分割:
- 180kmではなく「20km × 9セット」
- 「次の20kmだけ」を9回繰り返せばOK
- 1セットごとにエイドで休憩できる
ラン42.195kmの分割:
- 42.195kmではなく「2.5km × 17セット」
- 2.5kmごとに給水所がある
- 「次の給水所まで」を17回繰り返せばゴール
私の実践例:
ランスタート時に「42.195km」と考えたら絶望しました。
でも、「2.5km × 17回」と考えたら、気が楽になりました。
「2.5kmなら、練習で何度も走ってる距離。それを17回やればいいだけ」
この思考で、完走できました。
⑤「最悪シナリオ」を事前に受け入れておく
最悪を想定し、それを受け入れておくことで、心が軽くなる:
最悪シナリオ:
- 制限時間17時間ギリギリになる
- ラン後半で歩いてしまう
- ゴール前で足がつって倒れる
それでもOKと受け入れる:
- 「17時間ギリギリでも、完走は完走」
- 「少し歩いても、ゴールすればOK」
- 「倒れても、起き上がってゴールすればいい」
この思考の効果:
- 「完璧にやらなきゃ」というプレッシャーから解放される
- 「最悪でもゴールできればOK」という余裕が生まれる
- 実際には、余裕ができることでパフォーマンスが上がる
私の実践例:
レース前夜、「最悪17時間ギリギリでもいい。それでも完走だ」と自分に言い聞かせました。
この思考で、スタート時の緊張が和らぎました。
結果的に、16時間9分で完走。余裕を持つことで、逆にパフォーマンスが上がったのです。
レース前にやっておくべきメンタル準備
①レースレポートを読み込む
特に「ギリギリ完走者」のレポートを読む:
- 速い人のレポートは参考にならない
- 制限時間ギリギリで完走した人のレポートが最も役立つ
- 「こんな辛い経験をしても完走できた」という事例を知る
読むべきポイント:
- どの地点で絶望したか
- どうやって乗り越えたか
- どんな言葉を自分にかけたか
②「なぜ挑戦するのか」を言語化しておく
辛い時に、「なぜ始めたのか」を思い出すため:
私の理由:
- 「40歳の記念に、人生最大のチャレンジをしたかった」
- 「子供に『パパはやり遂げた』という姿を見せたかった」
- 「自分の限界を超える経験をしたかった」
レース中、この理由を何度も思い出しました:
- ラン35km地点で「もう無理…」と思った時
- 「子供の顔」を思い浮かべた
- 「ここで諦めたら、一生後悔する」と感じた
この思いで、最後まで走り続けることができました。
あなたの理由を書き出してみてください:
- なぜアイアンマンに挑戦するのか?
- ゴールした時、誰に報告したいか?
- 完走できなかったら、どう感じるか?
この3つの答えが、レース中の最強の武器になります。
③「辛い場面」を具体的にイメージしておく
ポジティブなイメージだけでなく、ネガティブな場面も事前に想定する:
想定すべき辛い場面:
- スイムスタート直後、水を飲んで苦しくなる
- バイク100km地点で、「まだ半分…」と絶望する
- ラン30km地点で、足が動かなくなる
対処法を事前に決めておく:
- 水を飲んだら → 背泳ぎで呼吸を整える
- バイクで絶望したら → 「次の20kmだけ」と唱える
- ランで足が動かなくなったら → 「歩かない。1km/10分でもいいから走る」
イメージトレーニングのやり方:
- 夜寝る前に、レース全体をイメージする
- 辛い場面が来たら、対処法を実行する自分を想像する
- 何度も繰り返すことで、「実際に経験した」かのような記憶を作る
この訓練を1ヶ月続けたことで、レース本番で「あ、これイメージしてた場面だ」と冷静に対処できました。
レース中の実践テクニック
①エイドステーションを「回復ポイント」にする
エイドでやること:
- 10〜30秒立ち止まってOK
- 深呼吸を3回
- 「ここまで来た!次のエイドまで頑張ろう」と自分を褒める
私の実践例:
バイクのエイド(20kmごと)で毎回:
- 一度止まって、ボトル交換
- 深呼吸3回
- 「よし、次の20km!」と声に出して言う
この30秒のリセットが、メンタルを保つ鍵でした。
②「小さな目標」を設定し続ける
「ゴールまで」ではなく、「次の電柱まで」
ラン後半での実践:
- 35km地点で「あと7km…」と絶望
- 「次の電柱まで走ろう」と目標を細分化
- 電柱に着いたら「次の電柱まで」を繰り返す
バイクでの実践:
- 「次のカーブまで」
- 「次の登り終わりまで」
- 「次の信号まで」
小さな目標の達成を繰り返すことで、「できた!」という達成感が積み重なり、メンタルが保たれます。
③他の選手とコミュニケーションを取る
一言声をかけるだけで、心が軽くなる:
私が実践したこと:
- すれ違う選手に「お疲れ様です!」と声をかける
- エイドで「ありがとうございます!」とボランティアに笑顔で言う
- 同じペースの選手と「一緒に頑張りましょう!」と励まし合う
効果:
- 孤独感が消える
- 「みんな頑張ってる」と感じて、自分も頑張れる
- ポジティブな雰囲気が伝染する
特にラン後半、「一緒に頑張りましょう!」と声をかけた選手と、最後の5kmを並走。
この経験が、完走の決め手になりました。
④「ゴールシーン」を何度も想像する
辛い時に、ゴールの瞬間を脳内再生する:
私が想像したゴールシーン:
- ゴールゲートをくぐる瞬間
- 「You are an Ironman!」とアナウンスされる瞬間
- メダルをもらう瞬間
- 家族に抱きつく瞬間
効果:
- 「あと少しでこの瞬間が来る」と思うと、力が湧いてくる
- 辛さが消え、ワクワク感に変わる
ラン40km地点(残り2km)で、このゴールシーンを何度も想像しました。
そのおかげで、最後の2kmを笑顔で走ることができました。
? 完走への道を選ぼう
あなたに合った準備ツールを選んでください
まとめ:メンタルは「練習」できる
アイアンマンは、フィジカルだけでなく、メンタルのレースです。
でも、メンタルは生まれつきの強さではありません。「練習」で強くできます。
この記事で紹介した方法を、今日から実践してください:
- 崩壊パターンを知る → 対処法を事前に決めておく
- マントラを用意する → 辛い時に唱える言葉を決める
- ポジティブ言い換えを練習する → ネガティブ思考をポジティブに変換
- 分割思考で距離を小さくする → 全体ではなく、次の区間だけを見る
- 最悪シナリオを受け入れる → 完璧を求めず、完走を目指す
そして、レース中は:
- 制限時間を計算しない(時計を見ない)
- 周囲と比較しない(自分のレースに集中)
- 小さな目標を設定し続ける(次のエイドまで、次の電柱まで)
- ゴールシーンを何度も想像する(辛さをワクワクに変える)
メンタルトレーニングをしておけば、完走率は劇的に上がります。
私は16時間9分で完走しましたが、最後の5kmは笑顔で走っていました。
なぜなら、メンタルコントロールができたから。
あなたも必ず完走できます。
この記事の内容を実践して、ゴールで「You are an Ironman!」と言われる瞬間を迎えてください。
さらに完走率を上げるために
無料配布中:初挑戦者向け「失敗チェックリスト PDF」
この記事で紹介したメンタルトレーニング法に加えて、機材・補給・当日オペレーションの失敗を防ぐチェックリストを用意しました。
印刷して持っていけば、レース前の最終確認に使えます。
この記事があなたの完走に役立つことを願っています。
メンタルを制する者が、アイアンマンを制します。
頑張ってください!?♂️?♂️?♂️


コメント