ペース設計の科学 – 16時間完走のための逆算式

Triathlon training 初心者の詰み回避

# ペース設計の科学 – 16時間完走のための逆算式

? こんな方におすすめ:

  • 制限時間17時間が不安な方
  • 何分ペースで走ればいいか分からない方
  • データに基づいた戦略を立てたい方
  • 完走確実性を高めたい方


「制限時間17時間って、何分ペースで走ればいいの?」

この質問に答えられない人は、高確率で制限時間に引っかかります。

16時間9分で完走した私のペース設計を公開。逆算式で、あなたの目標タイムを計算しましょう。

## なぜペース設計が重要なのか

アイアンマンの制限時間は17時間。

一見、余裕があるように思えますが、実際には**約30%の参加者がDNF(リタイア)**します。

その理由の多くは「ペース配分の失敗」です。

### よくある失敗パターン

1. **スイムで飛ばしすぎる** → バイクで脚が売り切れる
2. **バイク前半で調子に乗る** → 後半で失速、ランが地獄
3. **制限時間を意識しすぎる** → 焦って前半オーバーペース
4. **逆にペースが遅すぎる** → 後半で時間が足りなくなる

これらを避けるには、**事前にペース設計をして、それを守る**ことが不可欠です。

## 制限時間17時間の内訳を理解する

まず、制限時間の内訳を理解しましょう。

| 種目 | 制限時間 | 余裕を持った目標 | 安全マージン |
|——|———-|—————-|————-|
| スイム (3.8km) | 2時間20分 | 2時間00分 | 20分 |
| T1(トランジション1) | – | 15分 | – |
| バイク (180km) | 10時間30分* | 9時間00分 | 1時間30分 |
| T2(トランジション2) | – | 10分 | – |
| ラン (42.195km) | 合計17時間 | 5時間35分 | 25分 |
| **合計** | **17時間** | **16時間00分** | **1時間** |

*バイクの制限時間はスイムスタートから10時間30分

### 安全マージンを必ず確保する

上の表を見て分かる通り、**1時間の安全マージン**を確保しています。

これは以下のような不測の事態に対応するためです:

– パンクやメカトラブル(15分)
– トイレ休憩(10-15分)
– 補給所での給水・補給(累計10-15分)
– 足攣り・体調不良での休憩(10-20分)

「ギリギリ17時間で計算する」のではなく、**「16時間で完走できるペース設計」**を目指しましょう。

## スイムのペース設計:2時間以内

### 目標ペース

**100m あたり 3分00秒〜3分10秒**

– 3分00秒 × 38 = **114分 = 1時間54分**
– 3分10秒 × 38 = **120.3分 = 2時間00分**

### 体力レベル別の目安

| レベル | 100m平均 | 3.8km予想タイム | 安全性 |
|——–|———|—————-|——–|
| 初心者(泳げるようになった) | 3分30秒 | 2時間13分 | ⚠️ ギリギリ |
| 中級者(普通に泳げる) | 3分00秒 | 1時間54分 | ✅ 安全 |
| 上級者(速い) | 2分30秒 | 1時間35分 | ✅ 余裕 |

### 実際のレースでは遅くなる

プールで100m/3分で泳げても、レースでは以下の理由で遅くなります:

– ウェットスーツの違和感(初めての場合)
– 集団泳ぎのストレス
– コース取りのミス(遠回り)
– 波・流れの影響

**プールのタイムに +10-15% 加算**して目標を設定しましょう。

例:プールで100m/3分 → レース予想:100m/3分20秒


## バイクのペース設計:9時間以内

バイクは**最もペース管理が重要**な種目です。

### 目標ペース

**平均速度 20km/h**

– 180km ÷ 20km/h = **9時間00分**

これは「純粋な走行時間」です。実際には以下が加算されます:

– 補給所での停車(累計5-10分)
– 信号・一時停止(累計5-10分)
– パンク対応など(0-15分、トラブルがあれば)

### パワーゾーン別の推奨ペース配分

FTP(機能的閾値パワー)を基準に設定します。

| 区間 | 距離 | パワー目安 | 心拍目安 | 推奨速度 |
|——|——|———-|———|———|
| 0-60km(前半) | 60km | 50-55% FTP | 65-70% 最大心拍 | 22-24km/h |
| 60-120km(中盤) | 60km | 55-60% FTP | 70-75% 最大心拍 | 20-22km/h |
| 120-180km(後半) | 60km | 50-55% FTP | 65-70% 最大心拍 | 18-20km/h |

### FTPがわからない場合の目安

**体感強度**で管理します:

– **前半(0-60km):** 「まだまだ余裕」と感じるペース
– **中盤(60-120km):** 「このペースなら続けられる」と感じるペース
– **後半(120-180km):** 「疲れてきたけど、なんとか維持」と感じるペース

**重要:** バイク後にランが42kmあることを忘れずに!

### 実例:体重70kgの場合のペース計算

**前提条件:**
– 体重:70kg
– FTP:180W(一般的な初挑戦者レベル)
– 目標:平均20km/h

**計算式:**
– 前半60km:平均22km/h = 2時間44分(FTP 55% = 99W)
– 中盤60km:平均21km/h = 2時間51分(FTP 57% = 103W)
– 後半60km:平均19km/h = 3時間09分(FTP 52% = 94W)
– **合計180km:8時間44分**

補給・休憩を含めて **9時間00分** で完走可能。

### バイクで絶対にやってはいけないこと

❌ **前半で調子に乗って飛ばす**
– 平均25km/h以上で走る
– 「余裕だ!」と思って他の選手を抜きまくる
– 心拍が80%以上に上がる

これをやると、120km以降で**確実に失速**し、ランが地獄になります。

## ランのペース設計:5時間35分以内

### 目標ペース

**1kmあたり 8分00秒(キロ8ペース)**

– 8分00秒 × 42.195km = **337分 = 5時間37分**

これは「ゆっくりジョギング」のペースです。

でも、**バイク180kmの後**だと、このペースを維持するのは簡単ではありません。

### 距離別の推奨ペース配分

| 区間 | 距離 | 推奨ペース | 目安タイム | 累積タイム |
|——|——|———-|———-|———–|
| 0-10km(前半) | 10km | 7分30秒/km | 1時間15分 | 1時間15分 |
| 10-21km(中盤前) | 11km | 8分00秒/km | 1時間28分 | 2時間43分 |
| 21-32km(中盤後) | 11km | 8分30秒/km | 1時間33分 | 4時間16分 |
| 32-42km(後半) | 10km | 9分00秒/km | 1時間30分 | 5時間46分 |

**注意:** 30km以降は「歩き」を入れても構いません。

**歩きを入れた場合:**
– 走り:8分/km
– 歩き:12分/km
– 交互に繰り返す → 平均9-10分/km

### 心拍数での管理

| 区間 | 心拍目安 | 体感 |
|——|———|——|
| 0-10km | 70-75% 最大心拍 | 「まだ走れる」 |
| 10-21km | 75-80% 最大心拍 | 「キツいけど維持できる」 |
| 21-32km | 75-85% 最大心拍 | 「かなりキツい」 |
| 32-42km | 気にしない | 「何でもいいから前に進む」 |

**30km以降は心拍計を見なくてOK。** 意志力の戦いです。



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