冒頭:25mも泳げないのに、アイアンマンは無理?
「25mも泳げないのに、アイアンマンなんて無理だよね…」
いいえ、無理じゃありません。 私も最初は25m泳ぐのに1分以上かかり、息継ぎのたびにプールサイドにつかまっていました。
それから1年後、私は制限時間内に3.8kmを完泳しました。
この記事では、泳げない人が「最初にやるべき順番」 をすべて公開します。焦らず、この順番通りに進めば、誰でも3.8km完泳は可能です。
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前提:なぜ「順番」が重要なのか
多くの初心者が挫折する理由は、「いきなり長距離を泳ごうとするから」 です。
よくある失敗パターン
- 失敗①: 25mも泳げないのに、いきなり500m泳ごうとする
- 失敗②: フォームを無視して、とにかく「泳げればいい」と思う
- 失敗③: プールで練習せず、いきなり海で泳ごうとする
これらは全て、「順番を無視した結果」 です。
正しいアプローチ
泳ぎの上達には、明確なステップ があります:
1. まずは浮く(水に慣れる)
2. 次にフォームを覚える(効率的な泳ぎ方)
3. そして距離を伸ばす(持久力)
4. 最後に海に出る(OWS対応)
この順番を守れば、誰でも確実に上達します。
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ステップ①:まずはビート板で100m(目標:1ヶ月)
何をするか
- ビート板を使って、バタ足で100m泳ぐ
- 息継ぎは好きなタイミングでOK
- ゴールは「100m連続で進めること」
なぜこれが最初なのか
多くの初心者が「泳げない」理由は、「水に対する恐怖心」 があるからです。
ビート板を使えば:
- ✅ 沈む恐怖がない
- ✅ 息継ぎに集中できる
- ✅ 水に慣れることができる
「泳ぐ」前に、「水に慣れる」ことが最優先です。
判断基準
次のステップに進む条件:
- ✅ ビート板で100m連続で泳げる
- ✅ 息継ぎのリズムが安定している
- ✅ 水中で目を開けられる
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ステップ②:クロールのフォーム習得(呼吸なし)(目標:2週間)
何をするか
- 息継ぎなしで、クロールのフォームを覚える
- 距離は10m程度でOK
- フォームの質を重視する
ポイント
腕の動き
1. 手を前に伸ばす
2. 水を「かく」(プッシュ)
3. 肘を高く保つ(ハイエルボー)
体の使い方
- ローリング(体を左右に回転) を意識する
- 肩から腕を動かす(手首だけで泳がない)
- キックは軽め(推進力の90%は腕から)
なぜ「呼吸なし」なのか
呼吸を加えると、フォームが崩れるから です。
まずは「正しいフォーム」を体に覚えさせてから、呼吸を追加する。これが最も効率的です。
おすすめの練習法
- 10m × 10本(各本の間に30秒休憩)
- 動画を撮って自分のフォームをチェック
- 可能ならコーチに見てもらう
判断基準
次のステップに進む条件:
- ✅ 息継ぎなしで10m泳げる
- ✅ フォームが安定している(動画でチェック)
- ✅ 「泳ぐのが楽しい」と感じる
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ステップ③:呼吸の練習(片側・両側)(目標:3週間)
何をするか
- 片側呼吸で25m泳ぐ
- 両側呼吸(3ストローク1呼吸)で25m泳ぐ
片側呼吸 vs 両側呼吸
| 呼吸法 | メリット | デメリット |
| 片側呼吸(右or左のみ) | リズムが取りやすい |
体が傾く癖がつく |
| 両側呼吸(3ストローク1呼吸) | 体のバランスが良い | 最初は苦しい |
推奨:両側呼吸をマスターすること
なぜ両側呼吸が重要なのか
アイアンマンのOWS(オープンウォータースイム)では:
- ✅ 左右どちらでも呼吸できると、太陽や波の影響を避けられる
- ✅ 他の選手との接触時に柔軟に対応できる
練習法
段階①:壁キック呼吸練習
1. プールサイドにつかまる
2. 顔を水につけて、片側に顔を上げる
3. 「パッ」と素早く息を吸う
4. これを10回繰り返す
段階②:25m × 5本
- 片側呼吸で25m × 3本
- 両側呼吸で25m × 2本
段階③:50m連続
判断基準
次のステップに進む条件:
- ✅ 両側呼吸で50m泳げる
- ✅ 呼吸のタイミングが安定している
- ✅ 「息が苦しい」と感じない
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ステップ④:連続500m泳げるようになる(目標:1ヶ月)
何をするか
- 休憩なしで500m泳ぐ
- ペースは気にしない(ゆっくりでOK)
なぜ500mなのか
500mは「初心者の最初の壁」です。
- 100m泳げても、500mは泳げない人が多い
- 理由:スタミナではなく、メンタルの問題
500m泳げるようになると、「長距離も泳げる」という自信 がつきます。
練習法
Week 1: 100m × 5本(各本の間に1分休憩)
Week 2: 200m × 3本(各本の間に1分休憩)
Week 3: 300m + 200m(間に1分休憩)
Week 4: 500m連続
よくある質問:「途中で疲れたらどうするの?」
答え:ペースを落とす、でも止まらない
- 疲れたら「ゆっくり泳ぐ」(でも泳ぎ続ける)
- 立ち止まるのはNG(アイアンマン本番でも立てないから)
判断基準
次のステップに進む条件:
- ✅ 500m休憩なしで泳げる
- ✅ 泳ぎ終わった後、余裕がある
- ✅ ペースが一定(前半飛ばして後半失速しない)
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ステップ⑤:1,000m泳げるようになる(目標:1ヶ月)
何をするか
- 休憩なしで1,000m泳ぐ
- ペースは500mと同じ(無理に速くしない)
なぜ1,000mなのか
1,000mは「中級者への入り口」です。
- アイアンマンの3.8kmの約1/4
- この距離が泳げれば、「完泳は時間の問題」 と言えます
練習法
Week 1-2: 500m × 2本(間に2分休憩)
Week 3: 750m + 250m(間に1分休憩)
Week 4: 1,000m連続
ペース配分のコツ
| 距離 | ペース | 注意点 |
| 0-250m | ゆっくり |
ウォーミングアップのつもりで |
| 250-750m | 安定ペース |
「これならずっと泳げる」ペース |
| 750-1,000m | 少し上げてもOK | 余裕があれば |
重要:前半飛ばして後半失速するのは最悪のパターン
判断基準
次のステップに進む条件:
- ✅ 1,000m休憩なしで泳げる
- ✅ ペース配分が安定している
- ✅ 泳ぎ終わった後、「もう少し泳げる」と感じる
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ステップ⑥:ウェットスーツで海デビュー(目標:1日)
何をするか
- ウェットスーツを着て、海で500m泳ぐ
- できれば経験者と一緒に行く
なぜプールと海は違うのか
プール vs 海の違い
| 項目 | プール | 海(OWS) |
| 視界 | クリア |
濁っている |
| 浮力 | 低い |
高い(ウェットスーツ) |
| 波 | なし |
あり |
| 方向 | 黒線がある |
ブイを目印に |
| メンタル | 安心 | 不安・恐怖 |
最大の違いは「メンタル」 です。
初OWSで起こりがちなこと
1. パニックになる(視界が悪くて怖い)
2. 方向が分からなくなる(まっすぐ泳げない)
3. ウェットスーツが苦しい(首が締まる)
これは全員が経験すること。あなただけではありません。
対策
対策①:最初は浅瀬で慣れる
- いきなり沖に出ない
- 足がつく場所で「海の感覚」に慣れる
対策②:顔を上げる練習をする
- 3-5ストロークに1回、前を見る(ブイの確認)
- プールではやらない動きなので、最初は違和感がある
対策③:仲間と一緒に泳ぐ
- 絶対に1人で海に入らない
- 経験者がいると安心感が違う
判断基準
次のステップに進む条件:
- ✅ 海で500m泳げた
- ✅ パニックにならなかった
- ✅ 「次も海で泳ぎたい」と思える
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ステップ⑦:2,000m連続泳げるようになる(目標:1.5ヶ月)
何をするか
- プールで2,000m泳ぐ(休憩なし)
- 海でも1,000m泳ぐ(月1回程度)
なぜ2,000mなのか
2,000mは「アイアンマンの半分」です。
- ✅ ここまで泳げれば、「完泳は確実」 と言えます
- ✅ レース本番では、ウェットスーツの浮力とアドレナリンで+1.8km泳げる
練習スケジュール例
週3回の練習
- 月曜: 1,000m(ペース練習)
- 水曜: テクニック練習(ドリル中心、距離は500m程度)
- 土曜: ロング(1,500m → 2,000mへ徐々に伸ばす)
月1回の海練習
よくある壁:「1,500mの壁」
多くの人が1,500m前後で「もう泳げない」と感じます。
原因:メンタル疲労
突破法
1. 50mごとにカウントする(「あと30本」と考える)
2. 音楽を頭の中で流す(リズムを作る)
3. 「あと500m」と自分に言い聞かせる
判断基準
次のステップに進む条件:
- ✅ プールで2,000m泳げる
- ✅ 海で1,000m泳げる
- ✅ 「3,000m泳げる気がする」と感じる
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ステップ⑧:集団泳の練習(目標:3回以上)
何をするか
- OWS練習会に参加する(10人以上の集団)
- 密集した状態で泳ぐ経験を積む
なぜ集団泳が必要なのか
アイアンマンのスタートは、1,000人以上が一斉に泳ぎ出す カオスです。
集団泳で起こること
- ✅ 蹴られる、叩かれる
- ✅ 上に乗られる
- ✅ ゴーグルがずれる
- ✅ 方向が分からなくなる
これを経験していないと、本番でパニックになります。
集団泳の対策
対策①:スタート位置を工夫する
- 初心者は後方からスタート(最初の混雑を避ける)
- 前方は速い人だらけ(巻き込まれると危険)
対策②:接触されても慌てない
- 「蹴られるのは当たり前」と思う
- フォームを崩さず、淡々と泳ぐ
対策③:ゴーグルは2つ用意
- 本番用と予備(トランジションバッグに入れる)
- ゴーグルが外れても、泳ぎ続ける(止まると後続に踏まれる)
練習会の探し方
- トライアスロンショップのOWS練習会(月1-2回開催)
- 地域のトライアスロンクラブ(定期的に海練習)
- SNSで募集(Twitterやインスタで「OWS練習会」で検索)
判断基準
次のステップに進む条件:
- ✅ 集団泳を3回以上経験した
- ✅ 接触されてもパニックにならない
- ✅ スタート位置の戦略が分かっている
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ステップ⑨:レース前の最終調整(レース1ヶ月前〜)
何をするか
- 3,000m泳げるようにする(余裕を持つため)
- レースコースの下見(可能なら)
- 補給戦略の確認
3,000m泳ぐ意味
アイアンマンは3.8kmですが、実際にはもっと泳ぎます。
なぜ3.8km以上泳ぐのか
- ブイを回る時に遠回りする → +200m
- まっすぐ泳げず、蛇行する → +300m
- 他の選手を避けるために迂回 → +200m
合計:約4.5km泳ぐ可能性がある
だからこそ、練習では3,000m泳げるようにしておく べきです。
補給戦略
スイム中の補給は基本的に不要ですが、以下の場合は検討:
(バイクやランの補給については、こちらの記事で詳しく解説しています)
- ✅ 泳ぐのに2時間以上かかる場合
- ✅ 暑い日(脱水リスク)
補給方法:
- ウェットスーツのポケットにジェル1個
- 1.5km地点で摂取(余裕があれば)
詳しい補給戦略は、[/nutrition-calculator/]で計算できます。
レース前1週間の調整
やるべきこと
- ✅ 軽めの練習(500m × 2-3回)
- ✅ 睡眠を十分に取る
- ✅ 機材の最終チェック(ウェットスーツ、ゴーグル)
やってはいけないこと
- ❌ 長距離を泳ぐ(疲労が残る)
- ❌ 新しいゴーグルを試す(レース前に試す)
- ❌ 夜更かし
判断基準
レース準備完了の条件:
- ✅ 3,000m泳げる
- ✅ 集団泳を経験済み
- ✅ 機材の準備が完璧
- ✅ 「泳ぎきれる」と確信している
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よくある質問(FAQ)
Q1: 週に何回練習すればいいですか?
A: 最低週2回、理想は週3回です。
- 週2回: 進歩は遅いが、継続すれば到達できる
- 週3回: バランスが良い(推奨)
- 週4回以上: 上達は早いが、疲労に注意
重要:週1回では不十分(前回の感覚を忘れる)
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Q2: プールと海、どちらで練習すべきですか?
A: 両方必要です。
- プール: フォーム習得、距離を伸ばす(週2-3回)
- 海: OWS対応、メンタル強化(月1-2回)
比率:プール80% / 海20% が理想です。
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Q3: スイムスクールに通うべきですか?
A: 最初の3ヶ月は通うことを強く推奨します。
スクールのメリット
- ✅ フォームを正しく覚えられる(独学は癖がつく)
- ✅ モチベーションが続く
- ✅ 仲間ができる
スクールなしでもOKなケース
- 動画を撮って自分でフォームをチェックできる
- 経験者の友人に見てもらえる
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Q4: ウェットスーツは必要ですか?
A: アイアンマンに出るなら必須です。
理由
- ✅ 浮力があるので、泳ぎやすい
- ✅ 低体温症を防ぐ
- ✅ レース本番で使うので、練習でも慣れる必要がある
価格: 3〜10万円(中古なら2万円〜)
? 機材購入のコツについては、機材選びの優先順位もチェックしてみてください。
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Q5: 1年で3.8km完泳は本当に可能ですか?
A: 可能です。ただし条件があります。
完泳可能な人の条件
- ✅ 週2-3回、継続して練習できる
- ✅ 正しいフォームを習得する
- ✅ 海での練習を月1回以上行う
重要:「才能」ではなく「継続」が全て です。
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まとめ:焦らず、順番通りに進めばOK
9ステップの復習
| ステップ | 内容 | 目標期間 |
| ① | ビート板で100m |
1ヶ月 |
| ② | クロールのフォーム習得(呼吸なし) |
2週間 |
| ③ | 呼吸の練習(片側・両側) |
3週間 |
| ④ | 連続500m |
1ヶ月 |
| ⑤ | 連続1,000m |
1ヶ月 |
| ⑥ | ウェットスーツで海デビュー |
1日 |
| ⑦ | 連続2,000m |
1.5ヶ月 |
| ⑧ | 集団泳の練習 |
3回以上 |
| ⑨ | レース前の最終調整 | 1ヶ月 |
合計:約8〜10ヶ月(週3回練習した場合)
最も重要なこと
「順番を守る」 これに尽きます。
- ❌ 25mしか泳げないのに、いきなり1,000m泳ごうとしない
- ❌ フォームを無視して、距離だけ伸ばさない
- ❌ プールだけで練習して、海に出ない
✅ この記事の順番通りに進めれば、誰でも3.8km完泳できます。
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次のアクション
ステップ1: あなたの現在地を確認する
今、どのステップにいますか?
- [ ] ステップ①:ビート板で100m
- [ ] ステップ②:クロールのフォーム
- [ ] ステップ③:呼吸の練習
- [ ] ステップ④:500m
- [ ] ステップ⑤:1,000m
- [ ] ステップ⑥:海デビュー
- [ ] ステップ⑦:2,000m
- [ ] ステップ⑧:集団泳
- [ ] ステップ⑨:最終調整
ステップ2: 練習計画を立てる
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? [/checklist/]
ステップ3: 補給戦略を確認する
スイムだけでなく、バイク・ランの補給も重要です。
? [/nutrition-calculator/]
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執筆者: 16時間アイアンマン完走者
初稿作成日: 2026-02-09
最終更新日: 2026-02-09
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