泥でも乗れるシクロクロスのタイヤ選び|トレッド3種の使い分けと空気圧の決め方

Gear & Setup

シクロクロスを始めて最初に迷うのが、タイヤです。ロードなら「軽くて転がる」を選べばよかったのが、シクロクロスでは「泥で止まらない」「乾いた芝で転がる」「コーナーで横に逃げない」が同時に求められ、しかも全部を満たすタイヤはありません。

この記事は、トレッドの3分類と、初戦で何を履くか、空気圧をどう決めるかを整理したものです。私はTrek BooneにMavic キシリウム SLを組んで、初戦からチューブレスで走りました。まだタイヤを使い分けられる段階ではないので、「1本で始めるならこれ」という目線で書いています。

トレッドは3種類

トレッド3種:初戦はオールラウンド1本。泥が多い地域ならマッドを2本目に オールラウンドマッドファイル 得意 芝、乾いた土、軽い泥 コーナーで横に逃げにくい 苦手 深い泥(ノブが埋まる) 舗装路での転がり 初戦はこれ1本で十分 得意 深い泥、雨の芝 ノブの間隔が広く泥が詰まらない 苦手 乾いた路面で重く、よれる 舗装路で減りが早い 雨のレース前に替える2本目 得意 乾いた芝、砂、舗装路 転がりが軽く直線が速い 苦手 泥(まったく効かない) 濡れた芝のコーナー 初戦では使わない 直すポイントは1つだけ:タイヤを増やす前に、オールラウンド1本で空気圧を決められるようになる。
トレッド3種の得意・苦手。初戦はオールラウンド1本
種類 見た目 向く路面 初戦での扱い
オールラウンド(インターミディエイト) 中くらいのノブが全面に均等 芝、乾いた土、軽い泥 これ1本で始める
マッド 大きいノブが間隔を空けて並ぶ 深い泥、雨の芝 泥の多い地域なら2本目
ファイル(ファイルトレッド) 中央がヤスリ目、両端だけノブ 乾いた芝、砂、舗装路 初戦では使わない

初戦は「オールラウンド1本」でいい理由

タイヤを路面で使い分けられるのは、前日や当日朝にタイヤ交換ができて、かつ空気圧の感覚ができてからです。初戦でマッドを履いて乾いた芝のコーナーでよれると、「滑る」のがタイヤのせいか乗り方のせいか判断できなくなる。まず1本で、同じタイヤで空気圧だけ変えて、感覚を作るのが先です。

関西のシクロクロスは河川敷コースが多く、晴れれば芝と砂利、雨が降れば泥です。オールラウンドなら晴れでも雨でも「走れなくはない」。雨で明らかに泥が深ければ、空気圧を下げて早めに降りるで対応できます。

幅は33mm一択

UCI規則でシクロクロスのタイヤ幅は33mmが上限です。日本のレースも大半がこれに準じるので、33mmを選んでおけば間違いない。Booneは最大38mmまで入りますが、レースに出るなら33mmにしておく。

練習でグラベルを走ることが多ければ、練習用に35〜38mmを別に用意して、レース前に33mmに替える使い方もあります。ただしレース前日に替えると、空気圧の感覚がずれるので、少なくとも試走は33mmで。

空気圧の決め方

空気圧:乾いた芝を基準に、泥は下げる、砂利は上げる(体重82kg・33mm・チューブレス) 1.61.82.02.22.4 bar 泥・雨の芝 乾いた芝(基準) 砂利・舗装が多い クリンチャー(チューブ入り)なら各0.2bar上げる(リム打ちパンクを避ける) 前輪は後輪より0.1〜0.2bar低く(曲がるときに前が逃げにくい) 試走でコーナー1本。前輪が「折れる」感じなら0.1上げ、跳ねるなら0.1下げる 体重が10kg違えば基準が0.2bar動く。数字は目安で、最後は試走の1コーナーで決める。
空気圧の目安。乾いた芝2.0barを基準に路面で上下させる

空気圧は、体重とタイヤ幅とリムの組み合わせで決まるので、他人の数字は参考程度です。体重82kg・33mm・チューブレス(Mavic キシリウム SL)の私の基準は、乾いた芝で2.0bar前後(約29psi)。ここから、泥は0.2下げて1.8bar、砂利や舗装が多いコースは0.2上げて2.2bar。クリンチャーならリム打ちを避けるためにそれぞれ0.2上げます。

決め方の手順は次の通りです。

  1. 会場に着いたら基準値(乾いた芝の値)にしておく。
  2. 試走でコーナーを1本曲がる。前輪が「折れる」ように頼りなければ0.1bar上げ、路面で跳ねて接地感がなければ0.1bar下げる。
  3. 泥が深い区間があれば、さらに0.1〜0.2下げる。ただしリム打ちの音がしたら戻す。
  4. 決めた数字を、路面と一緒にメモしておく。次のレースの基準になる。

デジタルゲージを1つ持っておくと、0.1bar単位の調整ができます。フロアポンプのゲージは誤差が大きいので、ポンプで入れてからゲージで測って抜く、の順。

チューブレスにするべきか

クリンチャー(チューブ入り) チューブレス
空気圧の下限 2.0bar前後(それ以下はリム打ちしやすい) 1.7〜1.8barまで下げられる
パンク リム打ちで起きやすい。修理は簡単 小さい穴はシーラントで塞がる。大きい穴は手間
手間 少ない シーラント補充、ビード上げ、月1の点検
初戦 手間を避けたいならこれで十分 低圧で走りたいなら初戦から(私はこちら)

私は初戦からチューブレスで走りました。理由は単純で、Mavic キシリウム SLがチューブレス対応で、雨の桂川で1.8barまで下げたかったから。クリンチャーで1.8barはリム打ちが怖い。初戦から手間をかけられるなら、チューブレスで始めたほうが空気圧の自由度は高いです。逆に、シーラントやビード上げの手間を避けたいなら、クリンチャーで2.0bar以上から始めても、初戦で困ることはありません。

私の現在の設定

項目 設定
バイク Trek Boone
ホイール Mavic キシリウム SL
タイヤ IRC SERAC CX(33mm チューブレス)
方式 チューブレス
空気圧(桂川・雨) 前1.8 / 後1.8 bar
空気圧(乾いた芝・予定) 前1.9 / 後2.0 bar

桂川は雨で、前後1.8barで走りました。前輪が折れる感じはなく、泥のコーナーでも接地は残っていたので、雨の基準はここで決まり。乾いた日の基準は美山向山で決めて追記します。

おわりに

タイヤ選びは沼ですが、初戦で沼に入る必要はありません。オールラウンド33mmを1本、空気圧を試走で決める。この2つができれば、タイヤで負けることはない。負けるとしたら乗降とコーナーです。

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