シクロクロスを始めて最初に迷うのが、タイヤです。ロードなら「軽くて転がる」を選べばよかったのが、シクロクロスでは「泥で止まらない」「乾いた芝で転がる」「コーナーで横に逃げない」が同時に求められ、しかも全部を満たすタイヤはありません。
この記事は、トレッドの3分類と、初戦で何を履くか、空気圧をどう決めるかを整理したものです。私はTrek BooneにMavic キシリウム SLを組んで、初戦からチューブレスで走りました。まだタイヤを使い分けられる段階ではないので、「1本で始めるならこれ」という目線で書いています。
トレッドは3種類
| 種類 | 見た目 | 向く路面 | 初戦での扱い |
|---|---|---|---|
| オールラウンド(インターミディエイト) | 中くらいのノブが全面に均等 | 芝、乾いた土、軽い泥 | これ1本で始める |
| マッド | 大きいノブが間隔を空けて並ぶ | 深い泥、雨の芝 | 泥の多い地域なら2本目 |
| ファイル(ファイルトレッド) | 中央がヤスリ目、両端だけノブ | 乾いた芝、砂、舗装路 | 初戦では使わない |
初戦は「オールラウンド1本」でいい理由
タイヤを路面で使い分けられるのは、前日や当日朝にタイヤ交換ができて、かつ空気圧の感覚ができてからです。初戦でマッドを履いて乾いた芝のコーナーでよれると、「滑る」のがタイヤのせいか乗り方のせいか判断できなくなる。まず1本で、同じタイヤで空気圧だけ変えて、感覚を作るのが先です。
関西のシクロクロスは河川敷コースが多く、晴れれば芝と砂利、雨が降れば泥です。オールラウンドなら晴れでも雨でも「走れなくはない」。雨で明らかに泥が深ければ、空気圧を下げて早めに降りるで対応できます。
幅は33mm一択
UCI規則でシクロクロスのタイヤ幅は33mmが上限です。日本のレースも大半がこれに準じるので、33mmを選んでおけば間違いない。Booneは最大38mmまで入りますが、レースに出るなら33mmにしておく。
練習でグラベルを走ることが多ければ、練習用に35〜38mmを別に用意して、レース前に33mmに替える使い方もあります。ただしレース前日に替えると、空気圧の感覚がずれるので、少なくとも試走は33mmで。
空気圧の決め方
空気圧は、体重とタイヤ幅とリムの組み合わせで決まるので、他人の数字は参考程度です。体重82kg・33mm・チューブレス(Mavic キシリウム SL)の私の基準は、乾いた芝で2.0bar前後(約29psi)。ここから、泥は0.2下げて1.8bar、砂利や舗装が多いコースは0.2上げて2.2bar。クリンチャーならリム打ちを避けるためにそれぞれ0.2上げます。
決め方の手順は次の通りです。
- 会場に着いたら基準値(乾いた芝の値)にしておく。
- 試走でコーナーを1本曲がる。前輪が「折れる」ように頼りなければ0.1bar上げ、路面で跳ねて接地感がなければ0.1bar下げる。
- 泥が深い区間があれば、さらに0.1〜0.2下げる。ただしリム打ちの音がしたら戻す。
- 決めた数字を、路面と一緒にメモしておく。次のレースの基準になる。
デジタルゲージを1つ持っておくと、0.1bar単位の調整ができます。フロアポンプのゲージは誤差が大きいので、ポンプで入れてからゲージで測って抜く、の順。
チューブレスにするべきか
| クリンチャー(チューブ入り) | チューブレス | |
|---|---|---|
| 空気圧の下限 | 2.0bar前後(それ以下はリム打ちしやすい) | 1.7〜1.8barまで下げられる |
| パンク | リム打ちで起きやすい。修理は簡単 | 小さい穴はシーラントで塞がる。大きい穴は手間 |
| 手間 | 少ない | シーラント補充、ビード上げ、月1の点検 |
| 初戦 | 手間を避けたいならこれで十分 | 低圧で走りたいなら初戦から(私はこちら) |
私は初戦からチューブレスで走りました。理由は単純で、Mavic キシリウム SLがチューブレス対応で、雨の桂川で1.8barまで下げたかったから。クリンチャーで1.8barはリム打ちが怖い。初戦から手間をかけられるなら、チューブレスで始めたほうが空気圧の自由度は高いです。逆に、シーラントやビード上げの手間を避けたいなら、クリンチャーで2.0bar以上から始めても、初戦で困ることはありません。
私の現在の設定
| 項目 | 設定 |
|---|---|
| バイク | Trek Boone |
| ホイール | Mavic キシリウム SL |
| タイヤ | IRC SERAC CX(33mm チューブレス) |
| 方式 | チューブレス |
| 空気圧(桂川・雨) | 前1.8 / 後1.8 bar |
| 空気圧(乾いた芝・予定) | 前1.9 / 後2.0 bar |
桂川は雨で、前後1.8barで走りました。前輪が折れる感じはなく、泥のコーナーでも接地は残っていたので、雨の基準はここで決まり。乾いた日の基準は美山向山で決めて追記します。
シクロクロス取説シリーズ
おわりに
タイヤ選びは沼ですが、初戦で沼に入る必要はありません。オールラウンド33mmを1本、空気圧を試走で決める。この2つができれば、タイヤで負けることはない。負けるとしたら乗降とコーナーです。


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