「当日、雨だったらどうしよう…」
天候は変えられません。でも、準備はできます。
16時間9分で完走した私が経験した、雨・暑さ・寒さへの対策をすべて公開します。
はじめに:天候がもたらす3つのリスク
「練習は完璧だった。でも、当日の天候で全てが変わった…」
アイアンマンのDNF理由の中で、意外と多いのが天候による体調不良です。
- 雨による低体温症
- 暑さによる熱中症
- 寒さによる筋肉の硬直
天候は変えられませんが、対策を知っていれば完走率は劇的に上がります。
私が初アイアンマンで経験した天候トラブルと、その後学んだ対策をすべて共有します。
第1章:雨対策 – 低体温症を防ぐ
1-1. 雨レースの最大の敵:低体温症
実体験:バイクパートで体が震えた話
私の初アイアンマンは、バイクパート途中から雨が降り始めました。
気温は18℃。「大丈夫だろう」と思っていましたが、時速30kmで走ると体感温度は10℃以下。
100km地点で体が震え始め、指が動かなくなりました。
ブレーキをかけるのも怖いほど手がかじかみ、「このままではDNFだ」と本気で思いました。
1-2. 雨レースで持つべき装備
必須装備リスト
| 装備 | 役割 | 価格目安 |
|---|---|---|
| 防水ジャケット | 体温低下を防ぐ | 5,000〜15,000円 |
| アームウォーマー | 腕の体温保持 | 2,000〜5,000円 |
| レッグウォーマー | 脚の体温保持 | 2,000〜5,000円 |
| 防水グローブ | 手のかじかみ防止 | 3,000〜8,000円 |
| シューズカバー | 足先の冷え防止 | 3,000〜7,000円 |
トランジションバッグに入れておくべきもの
- タオル2枚(濡れた体を拭く用)
- 着替えのソックス(濡れた靴下は低体温症の原因)
- ゴミ袋(濡れた装備を入れる)
- ワセリン(擦れ防止・保温効果)
1-3. 雨レース中の判断基準
危険信号:こうなったら無理をしない
- ✋ 指が動かない(ブレーキ操作が困難)
- ✋ 体が震えて止まらない
- ✋ 思考が鈍くなる(判断力の低下)
- ✋ 唇が紫色になる
対処法:エイドステーションで体を温める
- エイドステーションで暖かい飲み物をもらう
- 建物の中で5〜10分休憩
- 濡れたウェアを絞る
- ジャケットやアームウォーマーを追加
制限時間より命が大切
私は100km地点のエイドで15分休憩しました。
「制限時間に間に合わないかも」と焦りましたが、体を温めたことで残り80kmを安全に走りきれました。
結果、制限時間内に完走。あの15分は命を守る投資でした。
第2章:暑さ対策 – 熱中症を防ぐ
2-1. 暑さレースの最大の敵:脱水と熱中症
実体験:ランパートで頭痛が襲った話
私の2回目のアイアンマンは、気温32℃の猛暑でした。
ランパート20km地点で突然、激しい頭痛と吐き気が襲いました。
「水は飲んでいたはず…」と思いましたが、後で計算したら水分摂取量が全然足りていませんでした。
2-2. 暑さレースでの水分・塩分摂取計画
基本ルール:体重×時間数×0.5L
例:体重70kgの人が15時間レースする場合
70kg × 15時間 × 0.5L = 約5.25L
これを15時間で割ると、1時間あたり約350ml
実践的な摂取スケジュール
| 区間 | 時間 | 摂取量 | 補給内容 |
|---|---|---|---|
| スイム | 1〜2時間 | 0ml | 終了後すぐに補給 |
| バイク | 6〜8時間 | 2.5〜3L | 20分ごとに150ml |
| ラン | 5〜7時間 | 2〜2.5L | エイド毎に200ml |
塩分補給も忘れずに
- 塩飴(1時間に1個)
- スポーツドリンク(水とスポドリを1:1)
- 塩タブレット(2時間に1錠)
2-3. 暑さ対策の具体的テクニック
レース前
- ✅ 前日から水分を多めに摂取(尿の色が薄い黄色になるまで)
- ✅ 朝食は軽め(消化にエネルギーを使わない)
- ✅ スタート30分前に500ml飲む
レース中
- ✅ エイドで水をかぶる(頭・首・腕)
- ✅ 日陰で休憩を取る(5分でも効果的)
- ✅ 帽子を濡らす(気化熱で冷却)
- ✅ 氷をウェアに入れる(首・胸・脇)
危険信号:こうなったら緊急対応
- ⚠️ 汗が出なくなる
- ⚠️ めまい・ふらつき
- ⚠️ 吐き気・頭痛
- ⚠️ 肌が異常に熱い
→ すぐにエイドで休憩!水をかぶり、医療テントへ
第3章:寒さ対策 – 筋肉の硬直を防ぐ
3-1. 寒さレースの最大の敵:筋肉のパフォーマンス低下
実体験:スイムスタート前に足がつった話
気温14℃の早朝スタート。ウェットスーツを着ていても、スタート前の待機時間で体が冷えました。
スタート直後、足がつって泳げなくなりました。
原因はスタート前の体温低下でした。
3-2. 寒さレース前の準備
スタート前の体温維持
| タイミング | やること | 目的 |
|---|---|---|
| スタート30分前 | ウォームアップ(軽いジョギング) | 筋肉を温める |
| スタート15分前 | 防寒着を着る(ゴミ袋でOK) | 体温を逃がさない |
| スタート5分前 | 軽いストレッチ | 筋肉をほぐす |
| スタート直前 | 暖かい飲み物 | 内側から温める |
ゴミ袋テクニック
大きなゴミ袋に穴を開けて、頭と腕を通すだけ。
スタート直前まで着ておき、スタート時に脱いで捨てる。
これだけで体温を5℃以上保てます。
3-3. 寒さレース中の対策
バイクパート
- ✅ ジャケット・アームウォーマー着用
- ✅ 最初の30分はペースを抑える(体を温める)
- ✅ 下り坂では体を伏せて風を避ける
ランパート
- ✅ 最初は歩いてもOK(筋肉を温める)
- ✅ 手袋をする(末端から冷える)
- ✅ 暖かい飲み物を優先的に飲む
第4章:天気予報の活用法
4-1. レース1週間前から毎日チェック
チェックすべき項目
- ? 気温(最高・最低)
- ? 降水確率
- ? 風速・風向
- ? 時間帯別の天気
おすすめアプリ
- Windy(風予報に特化)
- tenki.jp(1時間ごとの詳細予報)
- Yahoo!天気(レーダー機能)
4-2. 天候に応じた装備チェックリスト
雨予報の場合
□ 防水ジャケット
□ アームウォーマー
□ 防水グローブ
□ シューズカバー
□ タオル2枚
□ 着替えのソックス
□ ゴミ袋
暑さ予報(28℃以上)の場合
□ 帽子(ランパート用)
□ サングラス
□ 日焼け止め
□ 塩タブレット
□ スポーツドリンク粉末(追加)
□ 水ボトル多め
寒さ予報(15℃以下)の場合
□ ジャケット
□ アームウォーマー
□ レッグウォーマー
□ 手袋
□ ゴミ袋(防寒用)
□ カイロ
第5章:私の失敗談から学ぶ
失敗①:「大丈夫だろう」と油断した
状況: 気温20℃、雨予報30%
判断: 「そこまで寒くないし、降らないだろう」→ 防寒着なし
結果: 予報が外れて雨。体が震えてペースダウン
教訓: 天気予報が30%でも、装備は必ず持っていく
失敗②:水分摂取量を計算していなかった
状況: 気温28℃の暑さレース
判断: 「喉が乾いたら飲めばいい」
結果: ランパート20kmで頭痛・吐き気
教訓: 事前に必要量を計算し、タイマーで強制的に飲む
失敗③:エイドで休憩するのをためらった
状況: 雨で体が冷え、指が動かない
判断: 「制限時間が…」と休憩せずに走行継続
結果: さらに体温低下、危険な状態に
教訓: 5分の休憩で30分の遅れを取り戻せる
? 完走への道を選ぼう
あなたに合った準備ツールを選んでください
まとめ:天候対策は「保険」と考える
天候対策の装備は、使わなければラッキー、使えば命を守る保険です。
- ✅ 雨対策:防水ジャケット・手袋を必ず持つ
- ✅ 暑さ対策:水分・塩分の摂取計画を立てる
- ✅ 寒さ対策:スタート前の体温維持を徹底
最も大切なこと:
制限時間より命が大切。危険を感じたら無理をしない。
次回のレースでは、「天候が原因のDNF」は絶対に避けましょう。
? この記事の内容を1枚にまとめました
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FAQ:よくある質問
Q1: 雨予報が50%の場合、装備は持っていくべき?
A: 必ず持っていってください。50%は「降るかもしれない」ではなく「降る確率が半分」です。トランジションバッグに入れておけば重くありません。
Q2: 暑さレースで氷をウェアに入れるタイミングは?
A: バイクパート後半(100km以降)とランパート序盤が効果的です。エイドステーションで氷をもらい、首・胸・脇に入れます。
Q3: 寒さレースでゴミ袋はどこで手に入る?
A: スーパーの45Lゴミ袋でOKです。会場でも配布している場合があります。スタート直前まで着て、スタート時に脱いで捨てます。
Q4: 天気予報が当日朝に変わったらどうする?
A: 朝4:00に最終チェックし、必要に応じて装備を変更します。トランジションバッグには「迷ったら持っていく」の精神で多めに入れておきましょう。
Q5: 体温が下がりすぎたらリタイアすべき?
A: 危険信号(震えが止まらない、思考力低下、唇が紫)が出たら、必ず医療テントへ。命より大切なレースはありません。
この記事のポイント
| 天候 | 最大の敵 | 対策 |
|---|---|---|
| 雨 | 低体温症 | 防水ジャケット・手袋、エイドで休憩 |
| 暑さ | 熱中症 | 水分・塩分計算、エイドで水をかぶる |
| 寒さ | 筋肉硬直 | スタート前の体温維持、ゴミ袋テクニック |
天候は変えられないが、準備はできる。
次のレースでは、天候を味方につけて完走しましょう!


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