📋 この記事で分かること
🎯 結論:5週間プランは計画通りにはこなせなかった。それでもFTPは200Wから229Wへ+29W。体重は82kgのまま。W/kgは2.44から2.79に上がり、サブ80が射程に入った記録です
👤 対象者:仕事と両立しながらヒルクライムのFTPを上げたい社会人サイクリスト
⏱ 読了時間:約14分
🗓 使い方:直前期のトレーニングが計画通りいかないときの現実的な指標として
富士ヒルクライム本番まで、残りわずか。前回のPart 2で立てた「サブ80確実・サブ75チャレンジ」の5週間プランを、実際に金剛山を中心に回してきました。
先に正直なところを書きます。プランは計画通りにはこなせませんでした。仕事の繁忙と体調の波で、予定したセッションが何度も飛びました。それでも、FTPは200Wから229Wへ29W上がりました。一方で、目標にしていた減量はまったく進まず、体重は82kgのままです。
この記事は、完璧にこなせなかった5週間で、それでも何が変わって何が変わらなかったのか、数字で振り返る記録です。
なぜ金剛山だったのか
富士スバルラインは全長約24km、標高差約1,200m、平均勾配5%強。これを関西で再現できる場所として選んだのが金剛山でした。
金剛山の登坂路は、富士スバルラインほど長くはありません。ただ、勾配のレンジが近く、20分前後の連続した登りを繰り返し練習できる。FTPを引き上げるためのZ4走(しきい値付近の出力で粘る練習)を、実走の負荷でこなすのに向いていました。
Zwiftでも同じ強度は出せますが、実際の登りは路面の変化、勾配の緩急、風が加わります。本番が実走である以上、仕上げは実走でやるべきだと考えました。高野山も何度か使いましたが、軸は金剛山に置きました。
計画通りにはいかなかった5週間
Part 2のプランは、週ごとにZ4走の本数を積み上げ、W3とW5で20分FTPを再測定する設計でした。机上では美しいプランです。
現実は、そう動きませんでした。
平日に予定していたZwiftセッションは、仕事が立て込むと真っ先に飛びます。週末に金剛山へ行くつもりが、体調が optimal でない日も重なりました。「今日は本数を1本減らそう」「今週末は流すだけにしよう」という判断を、何度もしました。
これは言い訳ではなく、社会人アスリートの標準的な現実だと思います。週に10時間も12時間も練習に充てられるわけではない。仕事があり、家庭があり、体調がある。プランの8割こなせれば上出来、という前提で動くしかありませんでした。
結果的に、消化できたのはプランの6〜7割という感覚です。それでも、後述するようにFTPは伸びました。ここに、この5週間で得た一番の学びがあります。
FTP再テストの結果:200W → 229W
W5の終盤、金剛山で20分の全開テストを実施しました。Part 1.5でやったのと同じ条件、同じ測り方です。推定値ではなく、20分実走の生データを取りに行きました。
結果は、補正後でFTP 229W。Part 1.5時点の200Wから、29W上がっていました。
📊 FTPと出力体重比の推移
Part 1.5(W1終了時):FTP 200W / 82kg → 2.44 W/kg
Part 3(W5終了時) :FTP 229W / 82kg → 2.79 W/kg
5週間の変化:+29W / +0.35 W/kg(体重は変化なし)
正直、この数字には驚きました。プランを完璧にこなせなかったにもかかわらず、+29Wは決して小さくない伸びです。Part 1.5で「5週間で+75Wは生理学的にほぼ不可能」と書きましたが、+29Wは現実的な範囲で出せる最大級の伸びだと思います。
なぜ6〜7割の消化率で伸びたのか。推測ですが、Part 1.5以前の自分が、そもそもしきい値付近で粘る練習をほとんどしていなかったからだと思います。226kmの持久系トレーニングに偏っていて、20分全開で踏む刺激が不足していた。だから、欠けながらでもZ4走を入れたこと自体が、伸びしろの大きい領域を突いていた。トレーニングは、足りない刺激を入れた分だけ素直に返ってくる、ということなのかもしれません。
変わらなかったもの:体重82kg
一方で、まったく変わらなかったものがあります。体重です。
Part 2のプランでは、82kgから77kgへ5kgの減量を目標にしていました。ヒルクライムは出力体重比が結果を左右するので、パワーを上げるのと同じくらい、体重を落とすことが効くからです。
結果は、82kgのまま。1kgも落ちませんでした。
理由ははっきりしています。トレーニングで消費カロリーは増えましたが、その分しっかり食べていた。減量は食事のコントロールが9割で、練習量だけでは落ちません。ここは完全に詰めが甘かった部分です。
もし計画通り77kgまで落とせていたら、229W ÷ 77kg = 2.97W/kg。2.79との差は0.18W/kg。これは富士ヒルのタイムにすると数分単位の差になります。パワーで稼いだ前進を、体重で取りこぼした格好です。
本番のペーシング、最終形
2.79W/kgという現在地で、本番をどう走るか。Part 2で立てた「サブ80確実・サブ75チャレンジ」の枠組みを、最新の数字で引き直します。
サブ80(80分切り)に必要な出力体重比は、コースと体重の条件からおよそ3.1W/kg前後。現在の2.79W/kgはまだここに届いていません。ただ、富士ヒルは前半に斜度のきつい区間があり、後半は比較的緩む。前半を抑えてオーバーペースを避け、後半で出し切る組み立てができれば、平均出力以上のタイムは狙えます。
具体的には、スタートからの数kmは229Wのしきい値を超えないよう意図的に抑える。中盤を210〜220Wで刻み、緩む後半でペースを上げる。Part 1の頃に夢見ていた「サブ70を狙って突っ込む」走りとは、まったく逆の戦略です。
サブ75は、正直なところ今の数字では厳しい。ただ、当日のコンディション、気温、ペーシングがすべて噛み合えば、ワンチャンスはあるかもしれない。狙いにはいくが、賭けはしない。サブ80を確実に獲りにいきます。
5週間を終えて
計画通りにはいかなかった。減量も失敗した。それでもFTPは+29W伸び、出力体重比は2.44から2.79へ前進しました。
このシリーズで一貫して書いてきたのは、推定値ではなく実走の数字で現実を見ること、そして届かない目標は潔く修正することでした。Part 1の「期待」、Part 1.5の「現実」、Part 2の「修正プラン」、そしてPart 3の「不完全な実行と、それでも出た結果」。あとは本番を走るだけです。
結果は、レース後のPart 4で正直に報告します。サブ80を獲れたのか、獲れなかったのか。どちらでも、起きたことをそのまま書きます。
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